かめら文庫

カメラやレンズのレビュー、撮影記録、日常のことをあげています。

[回るカメラ]不自由さ、を愉しむ。

この頃撮影に行くたびまるで作業をこなしているような感覚を覚えた、AFに頼り、まるでカメラを操作しているのではなくカメラに操作されているような。

良い写真こそ撮れるが楽しさはあまり感じられない。

このマンネリ、負のループから抜け出すべくぼくは散歩へ出かけることにした。

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使用するカメラはD40+Zoom-Nikkor auto 43-86mm  F3.5のみ。

今回のテーマは「不自由さ」。

家から出てすぐカメラを取り出し、気分だけは旅人で、ワイヤレスイヤホンを繋ぎ、好きな曲を流す。

ゴミ出しのおばちゃんに睨まれつつ、早速目に入った花を撮影する。

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寂しいながら力強く咲く一輪の花。孤高とはこういうものなのだろうかと考え歩き進め、夏の終わりも近いことを感じ、進めていない宿題への焦りとどこか胸の中にある嫌いなはずの夏への寂しさを感じる。

近所はわりかし建物の多い住宅街なのだが目を光らしてみてみると意外と多くの花がいくつも咲いている、正直花の知識は齧った程度なので、花の名前なんて解りゃせんが、とりあえず記録に残し、調べながら覚えて行けばいい。

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わりかしどこにでも咲いていてよく撮影のお世話になるキバナコスモスに薄いピンクが洒落ているサルスベリ

天気予報は曇りと言っていたが青空が見えてよく映える、気温も幾分マシになってきていてまさに散歩日和。

元気な子供と錆びたチャリを乗りこなす別の意味で元気な爺とすれ違い、この町の平和さに流される。

さぁ、さらに足を動かそう。

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ここにきて日が差してきた、腐れど夏の太陽がぼくに厳しくささってくる。散歩日和は嘘だったかもしれない。

とはいえ太陽を生かさないわけにはいかない。木漏れ日やら手入れがされているのかされていないのかわからないツルやらを撮影。

苦手な虫に行手を憚れ、悪戦苦闘しながらアクエリアスを飲む。洒落てコーヒーでも飲みたかったがそんなことをしていては夏にやられてコーヒーの如くお先真っ暗である。

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川沿いを歩いていると珍しく撮影できるような位置にカラスがいた。お世辞にも4386じゃ届かない。遠望を持ってきていれば…と悔やんだがこれこそ今回のテーマ、不自由さの醍醐味なのだ。限られた画素数で、限られた焦点距離で。そういった縛りの中いい写真を撮るにはカメラではなく自分しか頼れない、この4386というレンズは何を撮る時が一番輝いてくれるか?この縛りルールにはそう考えながら撮っていく必要がある。このように4386は鳥を撮ることに特化したレンズではない。

 

 

さて。4〜5km歩いたくらいで家に帰ってきた、ここからは感想と自論を述べて行く。

 

お世辞にも楽な撮影とはいえなかった。MFだしいつものようにライブビューも使えない、自分の実力不足故のものではあるがファインダー越しではピントの位置もいまいち掴みにくい、ピントでボツになった写真もいくつかあった。

ただしかし、この散歩、是非ともまたやりたいと思う。

4386だけじゃなく全てに言えるがズームレンズはどうしてもテレ端やワイド端に偏って撮影してしまう。だが、このレンズしか使えないという縛りにおいては引いたり寄ったりどの距離がベストなのか考えることがかなり増えた。

新たな構図の発見やアングルの発見にも繋がるし、今までとは違う勝手の撮影なので新鮮味もあり問題だったマンネリの解消にもなった。

レンズ一本で勝負するので、そのレンズの持つ魅力や欠点なども学べて次の撮影にもつながる。

次のステージに進む良い一歩だった。

是非暇な時やぼくのようにマンネリ化している人は一度この散歩に出かけてみてほしい、近所でも、ちょっと遠くの場所でも。

次はカメラやレンズを変えて撮影してみようと思う、最近手に入れたD100も使いたいし、35単も使いたいなあ。

 

不自由さを愉しむ、いつもと違う世界がそこにはある。

最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。